つぎの文章を読んで、質問に答えなさい。答えは、1・2・3・4から最もよいものを一つ選びなさい。
まず、「何度読んでも飽きない」もの、というのが第一条件です。そのためには、「興味のあるもの」「好きなもの」を選ぶといいでしょう。自分が詳しく理解しているジャンルの文章は、たとえマニアックでも専門用語が満載でも、「自分のもの」にすることができ、生き生きと読むことができるものです。
加えて、「自分に合ったもの」かどうかも意識しましょう。例えば、おじいさんの一人語りの体験談は、20代の女性にとっては身近に感じにくく、理解しづらいかもしれません。また、スピーチなどを使う場合は、「話者を尊敬できる」「内容に共感できる」ものにするといいでしょう。そうでないと途中で嫌になりますし、納得していないものは「伝えよう」という気持ちにもなれません。
物語の朗読の場合、時代や文化背景がわかりやすいものの方が、映像を頭に描く作業が容易です。私がセミナーなどで日本文学の英訳をよく朗読するのは、日本人である私にとって、最も視覚化しやすく、伝えやすい素材だからです。なお、子供向けの物語の中でも、絵本などの「もともと絵が付いている」文章は、視覚化の訓練にはあまり適さないので、絵が少ない作品を選ぶといいでしょう。